ジュエリー作家やクラフト系アーティストにとって、海外展示の場を探すのはとても重要な一歩です。
今回は、2025年3月にドイツ・ミュンヘンで開催された、クラフト分野に特化した展示会、
「Handwerk & Design Messe」を視察してきました。

Maison&Objet パリでのご縁をきっかけに、主催者の方から直接案内していただける機会をいただき、
当日はブースの様子や展示の流れについて詳しくお話を伺うことができました。
前の記事でもご紹介した、ジュエリーを中心とするクラフト作家さん向けにおすすめしている展示会の一つです。
この記事では、ジュエリーや工芸品を制作されているアーティスト・ブランドの方に向けて、
この展示会の特徴や現地の雰囲気、出展を検討する際のポイントをご紹介します。
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Contents
「Handwerk & Design Messe」の基本情報

この展示会は、ドイツ最大の職人見本市「Internationale Handwerksmesse(IHM)」の一部として開催され、特にクラフト分野に特化したイベントとして注目を集めています。
- 開催地:ドイツ・ミュンヘン(毎年3月)
- 開催元:Internationale Handwerksmesse(IHM)の一部
- 開始年:2008年(IHMは1949年〜)
- ターゲット:BtoB & BtoC 両対応(特にクラフト好きの一般来場者が多い)
展示対象はジュエリー、陶磁器、テキスタイル、家具、紙製品、木工など多岐にわたります。

約250組の選ばれたクリエイターが出展しており、ドイツを中心にヨーロッパ各国からの参加が目立ちました。
引用: https://www.ihm-handwerk-design.com/
出展費用
ブース構成とコスト感

- 初出展者の費用:5日間で約1,200ユーロ(設営済の壁・床・照明込み)
- ブースは白を基調としたクリーンなデザイン(INLINE BOOTH)
- 棚や什器はレンタル可能(壁への設置は現在不可)
出展にかかる費用としては、大規模展示会に比べてかなり良心的な印象を受けました。
ジュエリー系ブランドにとっての魅力とは?
会場の3分の1がジュエリー!

この展示会の大きな特色のひとつは、コンテンポラリージュエリーへの注目度が非常に高いこと。
展示会場の三分の一以上がジュエリーセクションです。

また、世界中からジュエリーのギャラリーも展示しており、それぞれがギャラリーのコンセプトにこだわって選んだアーティスト達のジュエリーを見ることができます。
併催イベントSCHMUCK München(シュムック・ミュンヘン)

特に「SCHMUCK München(シュムック・ミュンヘン)」という併催イベントは世界的にも評価が高く、世界中からアーティスト・コレクターが訪れます。
SCHMUCK(シュムック)とは、ドイツ語でジュエリー、という意味です。
SCHMUCK Münchenは、世界でも権威あるコンテンポラリージュエリーの展覧会とされています。
- SCHMUCK Münchenの展示には50か国以上から800件以上の応募
- 2025年は62点が選出され、展示・受賞対象に
- ミュンヘン市内全体がジュエリーイベント化する盛り上がり
その中でも優れた作品には、以下のような賞が贈られます:
🏆Herbert Hofmann Prize(ヘルベルト・ホフマン賞)

→ コンテンポラリージュエリー界で最も栄誉ある賞のひとつとされ、選出されること自体が注目度やキャリアに大きな影響を与えます。
この賞は、過去の受賞者も含めて国際的に高く評価されており、出展=「ただの展示」ではなく、ジュエリー作家としてのステップアップの場として大きな意味を持っているそうです。
Handwerk & Designの位置付け
このSCHMUCK MünchenイベントのハブとなっているのがHandwerk & Designです。

会場にて、展示と受賞対象となった作品が展示されていて、新進気鋭のアーティスト達の作品がここで発表されています。
来場者とイベント全体の雰囲気
来場者の傾向

私は半日あまりしか滞在していないので、日によって異なるかもしれませんが、来場者の多くはドイツ人、という印象でした。
BtoC向けでもあるので、一般来場者も多いのが特徴です。
また、プレスの方も来場しているそうで、出展者の中では、記事に取り上げてもらえる機会にもなったという経験をうかがいました。
販売だけでなく、PRやネットワークづくりにもつながる貴重な機会になっているようです。
これは補足ですが、私が訪れた日はちょうど地元ミュンヘンの学生さん達が沢山来ていました。
何故ですか?と質問したところ、
学校のカリキュラムの一部として見学に来て、このような手仕事も職業としてあることを学んでもらう、という趣旨があると説明してくれたました。
このような背景も、ドイツでは手仕事の職業も大事にしてくれているのを感じますね。
言語
言語は出展者としては英語で全く問題なさそうです。
私の経験でも、ドイツでは(特に旧西ドイツ)英語がみんな上手です。
ただ、他の国際展示会と比べると会場ではドイツ語中心の案内やトークが多めの印象です。
特色

Handwerk & Design ではそれぞれが独自のブランドスタイルや技術と特色を持っている出展者が選ばれている印象でした。
全体として、「手仕事への理解と尊敬」を強く感じる展示会です。

なので、作品の背景やコンセプトを大切にする作家にとって、とてもフィットするイベントだと思います。
出展申込について
出展したい方は、HANDWERK&DESIGNのホームページから申し込むことができます。
最初は基本的な情報(名前や住所、ホームページなど)のみの入力で、その後により詳細な情報を提出する流れになっています。
出展者の選定は運営が行っており、応募には審査がありますが、ユニークな表現と真摯な制作姿勢が評価される傾向があると感じました。
自分の作品にかける思いやストーリー、こだわりを上手に伝えることが選出されるために重要になってくると思います。
出展サポート
私が運営するNaviact YKでは、海外出展にあたり、通訳を兼ねた出展申込、出展準備や現地でのサポート、またはスポットコンサルなどを行っております。
ご希望に沿った範囲内でのサポートをお気軽にお問い合わせください。
まとめ
出展を検討しているアーティスト・ブランドの方へ
私は今回視察のみでしたが、以下のような方にはとてもおすすめできる展示会だと感じました。
- ヨーロッパ(特にドイツ語圏)で作品を紹介したいジュエリー作家・クラフト作家
- ストーリー性のある作品を持ち、丁寧に伝えたい方
- 価格的にも負担を抑えつつ出展したい方
Handwerk & Design Messeは、コンテンポラリークラフトに焦点を当てた展示会で、手仕事に対するドイツ人の敬意を感じられるイベントでした。
ドイツやヨーロッパでの活動を視野に入れている方には、ぜひ一度チェックしてみてください。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
📝 次回は、私が今年2月に出展した「Shoppe Object(ニューヨーク)」についてご紹介します。
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