展示会に出展すると、国や地域によってバイヤーやお客様の反応や決断の仕方の違いを感じることがあります。
この記事では、以下のような方に向けて書いています。
- 海外展示会での反応の違いを知りたい方
- 文化によってどのように商談が進むかを把握したい方
結論から言いますと、NYは即決、ヨーロッパは検討型です。
本記事はあくまでも私の個人的な印象に基づくものですが、今後ヨーロッパやアメリカで出展を考える方の参考になればと思います。
今回は、パリとNYでの国際見本市での出展経験を元にお伝えします。
それぞれの国際見本市の基本情報や出展体験は別の記事をご参照ください。
パリ(Maison&Objet)での印象

Maison&ObjetはEU圏を代表する有名かつ大規模な国際見本市です。来場者の層は幅広いものの、やはりEU各国やイギリスなどヨーロッパ圏からの来場者が中心です。
商品に興味を持ってくださった方々は、丁寧に話を聞いてくださり、「興味がある」「素敵ね」といった前向きで好意的な言葉をかけてくださいます。ただし、その場で商談が決まるケースは非常に少ないのが現実です。
「検討したいのでカタログを送ってほしい」「後日連絡します」といったやり取りで終わることが多く、実際の商談は、後日のアポイントを通じて進めていくスタイルが主流でした。
実際に、周囲の他の展示者と話していても、「すぐにオーダーが入った」という話より、「興味は持ってもらえた」「商談が決まる可能性がある」「連絡すると言われた」といった可能性ベースの話をよく耳にしました。
こうした背景には、ヨーロッパ(特にフランス)ではバイヤーや担当者がまず下見に来る傾向があると思います。
展示会は「商談の場」というよりも、「市場調査や情報収集の場」という位置づけが強く、慎重に比較と検討を重ねてから決定する傾向があるように思いました。
ヨーロッパでは、その場で即決ではなく、じっくり検討してから決断するスタンスが基本であるというのが印象です。
ニューヨーク(Shoppe Object)での印象

来場者のほとんどは、アメリカ国内のバイヤーや小売店の方々です。
彼らの判断は非常に早く、即決が多いです。展示会場でそのままカード決済を済ませるケースもあるほどです。
実際に私は、初めてお会いした小売店の方が、5分以内に購入の判断をしてくださった経験があり、「良いと思ったらすぐ行動」、というスピード感と商談のテンポの良さを強く感じました。
この背景には、ヨーロッパの展示会とは異なり、アメリカでは、オーナーやディレクターなどの最終決定者が直接来場しているケースが多いこともあると思います。それが即決を可能にしている大きな要因の一つです。
また、ニューヨークの展示では、小売店やバイヤーの方が、自分の店に合う価格帯では無い時に、「ここにアプローチしてみるといいよ」と積極的に他店を紹介してくれる人がとても多かったです。
日本人としても、ヨーロッパに住んでいる経験からしても、驚くようなオープンさと応援スタンスでした。
➡ アメリカでは、「気に入ったら今すぐ買う」、そしてニューヨークでは特に「チャレンジしている人を応援する」という文化が根付いていることを実感しました。
番外編:ドイツの展示会での経験から

私はドイツでの国際見本市は参加したことがないのですが、2回、個人的に展示会を開催したことがあります。
その場合、来場者は主に一般の方々であり、Maison&ObjetやShoppe ObjectのようなBtoBの国際見本市に来場するリテーラーやバイヤーの方とは客層が大きく異なります。
そのため、エンドカスタマーとしての個別の購入判断になることから、国際見本市での商談とは性質が全く異なり、単純な比較はできません。
ただ、私の経験では、ドイツ人の方々は、気に入ってくれた場合、即決で購入、注文してくれる方が多く、決断が早い印象がありました。
これはおそらく、効率性を重視するドイツの国民性が背景にあるのかもしれません。
まとめ
一言で違いを表すと、国際見本市では、
即決が多くフレンドリーなNY、
じっくり検討型のヨーロッパ
という印象です。
一方、ドイツで開催した個人向けの展示会では、「良いと思えば即決」という購入スタイルが見られました。ただし、これはエンドカスターとリテーラーという来場者の属性の違いに大きく関係しています。
展示会ごとに来場者の文化や傾向を理解しておくことで、現場での対応もしやすくなると思います。
特に、スピード感があるNYではその場で商談が進むことも多いので、即対応できる準備をしておくことは重要だと感じています。
とはいえ、どの国・地域の展示会に出展するにしても、共通して大切なのはやはり「準備」と「柔軟な対応力」。
文化の違いを踏まえた上で、自分の魅力を伝える準備をしておくことで、良い出会いや商談に繋がるチャンスが広がると思います。
今後も展示会を通じた感じたリアルな印象や気づきを引き続きアップしていきたいと思います。
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