海外展示会での出展を検討する上で出展費用の目安が気になるところだと思います。
そしてバイヤーとの商談や出展するブースの準備はどうやるのか?
最新データを元に解説していきます。
こちらは、前回の記事、「海外展示会ガイド for アーティスト&ブランド」の続きとなります。
メディアの準備、展示会の選び方と英語の必要性については前回の記事をご覧ください。
Contents
海外展示会の出展費用はどれくらい?最新データをもとに解説
展示会の出展費用
出展費用は、展示場所の大きさ、レンタルするものなどによって変わってきます。
費用と手間を抑えられるパッケージがあるおすすめ展示会の出展費用をご参考にご紹介します。
実際に出展・検討した国際展示会と費用の一例
展示会 | 展示代(+マーケットプレイス) | レンタル | 保険 |
---|---|---|---|
Maison&Objet(Paris)B2B | 4㎡ 約1,800EUR(5日間)+1ヶ月オンライン | デスク150EUR | 任意 |
Shoppe Object(NY)B2B | 約4,000USD(3日間)+7ヶ月オンライン | 棚175USD/椅子10USD | 必須(65USD) |
Handwerk & Design(ミュンヘン)B2B/B2C | 初出展:1,200EUR(5日間) | 不明 | 不明 |
その他、さらにかかってくるコストとして、
ホテル代、渡航費、交通費、印刷物、滞在費、保険代、通信費、通訳をつけた場合のコスト、商品を送る場合の物流コスト、などを考慮する必要があります。
ここでご紹介している展示会のさらに詳しい情報については別記事をご参照ください。
その他のコストの内訳についてもリアルに載せています。
費用を抑えるコツ
- シェア出展:他のアーティストやブランドとコラボして出展することができる展示会もあります。(Maison&ObjetのCraftは私が知る限りできません。)
- 早期申し込み割引: 初めての場合、まずは審査があり、時間がかかることと、早期申し込み割引の案内がそもそも来ないこともありますが、展示会によってはこのようなオファーがあるのでできるだけ早めに申し込みをして利用しましょう。
バイヤーと商談するための準備

カタログ
日本ですでに販売されている方はカタログをお持ちだと思いますが、英語版で用意しておきましょう。
もし、価格も必要、と要望があった場合に対応できるように価格表も必要です。
その場で商談、と行かなくても、カタログを送ってくださいというバイヤーの方も多くいます。
出展ブースの設計 – コストを抑えながらも効果的に魅せる

最後に、出展ブースの設計についてですが、
標準の準備されたパッケージでの展示でも、コストをあまりかけず、効果的な魅せ方をできるよう工夫していきます。
ブランドコンセプトに合ったブースデザイン
ある程度パッケージで展示ブースの状態が決まっているとはいえ、ディスプレイの仕方で出来るだけブランドコンセプトに合った個性を出したブースデザインにしましょう。
出展主催者のレンタルオプションを活用
デスクや棚が必要な場合、主催者側がレンタルできるものを用意してくれています。
費用は多少かかりますが、(展示会費用のところを参照)、設営の負担を減らすことができますし、その会場の雰囲気に合ったものを用意してくれているので安心です。
ブースのタイプによる工夫
ネジで棚などを固定できるタイプのブースの場合
このタイプは、背面や横に壁があって、他の展示者と仕切られているタイプです。
INLINE BOOTH(インラインブース)と言われます。
壁があるので、それを利用して作品を直接ディスプレイしたり、棚を壁に設置することが可能です。
棚を設置する場合、事前に日本のIKEAなどで購入して、現地で備え付けるのがおすすめです。
私は、パリのIKEAで前日に調達したことがあったのですが、定番の品なので油断していたら品切れになっていることがあって、慌てて代用品を見つけた、という経験があります。
荷物は増えますが、日本で買う方が確実です。現地で買う場合、品切れリスクがあるため、代替案も考えておきましょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
日本で調達 | · 事前にデザイン・サイズを確認できる · 品切れのリスクがない | · 荷物が増える · 持ち運びの手間がかかる |
現地調達 | · 荷物が減る · 展示会場の雰囲気に合ったものを現地で選べる | · 人気商品の場合、品切れの可能性あり · 現地で組み立てに時間がかかることも |
ブースにロゴを用意して前日に壁に貼ってくれる業者さんが大体います。
こればかりは、自分でやって失敗するとせっかくのブランドロゴが見窄らしく見えますのでプロに任せることをおすすめします。
ブースに壁がない、カウンター式の場合
このタイプは、壁で仕切られてない、全方向からアクセス可能なカウンター式のタイプです。
イベント主催側はイベントの雰囲気に合ったカウンターを用意してくれています。
自分の作品の雰囲気と合っていれば、作品を並べるだけでも綺麗に見えることもあります。
実際、多くのアーティストやブランドが作品を直に並べるだけ、という展示をよく見ました。
作品に合った統一感や高級感、雰囲気をより演出したい場合
- カウンターの大きさに合わせて、好みの布でカバー
- ライザー(展示用の台)などを用いて作品の展示に立体感を持たせる
- 壁がないので、ロゴやブランド名、アーティスト名が分かるようにカウンターに置けるスタンド式の小さいディスプレイを置く
- お花や植物を現地の花屋などに頼んでおいて飾る、もしくは日本からドライフラワーを持っていく(手間と費用的にはこちらがおすすめ)
以上は、最後のお花を除いて、私が出展の時に準備した例です。
商品を持ち込む方法

大切な作品をどうやって展示会まで持っていくか。
作品自体が大きい場合には無理ですが、私は、飛行機のチェックインの荷物で持参するのをなるべくおすすめしています。
この方法だと、荷物が無事に着く安心感と(もちろん荷物噴出のリスクはありますが)特別な通関手続きが不要なケースが多く、手軽だからです。
航空会社によりますが、チェックイン可能な23gを2つ持っていけるとして、大きなスーツケースだと自分の荷物を含めても結構入ります。
入らない場合、どなたかお手伝いで行ってくれる方がいる場合は、さらに2つ持っていけます。
ひとりで行く場合は、追加のチェックインの荷物を申し込んで、持っていくこともできます。
3つ以上の大きなスーツケースを持つのは大変ですが、日本ではチェックインするまでにタクシーで空港まで行けばカートで問題なく運べます。
問題は現地に着いてからですが、空港の税関を出てきたところですぐ待っていてくれる、空港送迎サービスをお願いすると、荷物を持ってくれてそのままホテルまで行けるので問題ありません。
一方で、品物が大きくて持ち込みが無理で輸送する場合、高額な作品・販売の可能性がある場合は、通関手続きが必要になります。
ATAカルネ(国際通関書類)などの事前手続きを、ケースに応じて確認することをおすすめします。
まとめ – 海外展示会進出を成功させるために
前回の記事と合わせて、海外展示会進出の為のポイントをまとめます。
- まずはHP・SNSを整えることが大前提
- コストと準備の負担が少ない、だが自分のブランドに合った展示会を選ぶ
- 英語は必須なので不安な場合はサポートを頼む
- バイヤーとの商談を意識した準備を徹底する
- ブランドコンセプトに合ったブース設計を
- ロジスティクスは作品の大きさやケースによって安心できる方法で
追加サポート情報
「もっと詳しく知りたい方へ」
海外展示会出展をサポートするサービスもあります。

- 英語のサポート(出展申請・商談準備など)
- 現地サポート(会場でのアシストなど)
- 展示会出展の個別相談
などご希望の方はサービス一覧をご覧ください。
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