大きな会場で多くのビジターが訪れる国際見本市。

海外展示会に出展するのは、作品を世界に届けるチャンスです。
限られた時間の中でチャンスを逃さず、そしてトラブルを防ぐためのちょっとした準備と心構えがとても大切です。
この記事では、私自身の出展経験をもとに、
展示期間中に特に気をつけたい6つのポイントをまとめました。
- 短時間で自分の作品を伝えるコツ
- スピード商談への備え
- 気をつけたいビジターへの対応
- 一人体制でもマインドセット次第で大丈夫
- 来場者情報の記録方法
- 盗難リスクへの備え
海外の展示会出展のための基本ガイドや私が経験した国際見本市の情報については他の記事で説明しております。
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Contents
ビジターへの対応

短時間で自分の作品を伝えられる準備を
興味を持って立ち寄ってくれた方に自分の作品の良さをお話できる時間は非常に短いと思って、準備しましょう。
大きな見本市では特に広い会場で沢山のブースを見ていて、沢山の情報に晒されている来場者。
できれば30秒以内に、自分の作品の魅力を簡潔に伝えられるようにしておきましょう。
いわゆる「エレベーターピッチ」(=エレベーターに乗っている短時間で相手に興味を持たせるような、簡潔な自己紹介)を意識すると効果的です。
興味を持ってくれた場合はバイヤーの方からどんどん質問をしてくれるようになりますので、そうしたら詳しくお話ししていきます。
要は、様子を見てご対応、ではあるのですが、出だしは魅力を伝えられるキーフレーズを入れた短く簡潔な説明がおすすめです。
スピードの速い商談に備える

私の経験では、特にアメリカの方は決断が早いです。
初めての来場で5分くらい話して即、決断、ということがありました。
そのために取引条件などをその場でお話しできるように準備しておくことが必要です。
気をつけたいビジター
一方、気をつけたいのはいろんなビジターがいるということ。
これはもちろん海外に限ったことではなく、展示会ではよくあるリスクだと思います。

注意したいトラブル事例(不利な条件・長話・個人的な接触)
- 同業者や学生さんで技術を参考にしたい人(ストレートに言うと、技術を盗む目的など)
- 条件の良さそうなコラボレーション、商談などを展示会では持ちかけて、実は出展者負担が大きい、もしくは不利な条件だった
- 君と良いビジネスができそうだ、とほのめかして、実際にはビジネスとは関係のない個人的な関心を示してくるような方
など、出展中にはビジターの中に、明確な目的が見えず、話が長くなってしまう方もいました。
私は最初の出展で経験がなかったので、全くこういうことに気づかず、気づいたら長時間、時間をとられてしまったことがありました。
学生さんやその業界の人がリサーチのために訪れていることもあり、技術や制作工程に興味を持って訪れることがあります。
時間があれば、お話できる限りのことはお話して対応していますが、相手が真剣な為に話が長くなってしまうことも。
学生さんなどは特にいろいろ教えてあげたくなってしまうのですが、国際見本市に出展している自分の目的を第一に考えて、対応の加減をすることも必要です。
また、ブースでは一見条件が良さそうな案件を持ちかけて長い時間話しながらも、
その後の打ち合わせで本題に入ってみると条件がとても悪くて取引にはとても及ばない場合であった
り、ビジネスとは全く関係ない話ばかりが続いたり、などの経験もありました。
そうした経験から、今では相手の目的を早めに見極め、対応を工夫しています。
ビジターの中には、出展者のマーケティングサポートなど、営業を目的とした方もいます。
そういう方は最初から素性と目的をはっきり明かしてくれて、他のビジターが来たら、遠慮してくれる方が多いです。
目的が不明のまま、話が長くなりそうだったら、後日またアポイントを、など早めにお願いしてその場は一旦、失礼のないように話を終わらせるのがおすすめです。
もし可能なら二人体制だが、、
来場者とのトラブル対応対策としても、
もし可能なら二人以上の体制にできたら理想的です。
特に、一番忙しくなりそうな時間帯はもう一人いると、複数のお客様に対応できない場合に、最低限の対応ができるサポートの方がいると安心です。
細かい話はできなくても、連絡先や要望だけでもいただいておくなどしておけば、後でフォローアップもできます。
一人体制でもマインドセット次第で大丈夫

私自身、過去の展示会で一人体制で出展したことがあります。
個人アーティストが集まるクラフト系の展示会では、一人体制の出展者も珍しくありません。
確かに、一人だと機会を逃してしまうリスクはゼロではありません。
ですが、本当に興味を持ってくれたお客様は、時間をかけてでももう一度訪ねてきてくれる
―私はそんな風に割り切って臨みました。
パリでの出展では、お隣や近くの出展者同士で自然に助け合う雰囲気がありました。
お昼休憩を交代で取り合ったり、ブースに不在の間にビジターが来たら声をかけて呼び出してくれたり…。
人と人との温かい助け合いが、大きな支えになりました。
とはいえ、一人体制の場合は特に、
- 貴重品管理への注意
- 無理をしない休憩計画
など、より慎重な準備と気配りが必要です。
もしあなたも一人体制での出展を考えているなら、
完璧を目指しすぎず、できる範囲でベストを尽くす気持ちで臨むことをおすすめします。
周りの出展者と少しでも声を掛け合えれば、それだけで展示会の心強い味方になります。
来場者情報をしっかり記録できる体制を
昨今の大きなトレードフェアでは、多くの場合専用のアプリが用意されています。
このアプリを使って、来場者の基本情報をいただくことが可能です。

来場者は、チケット兼用でバーコードがある専用のバッジが入場に必要になります。
このバーコードからスキャンして、基本情報(会社名、担当者名、住所、メールアドレス、電話番号、業種、ビジネスの内容など)をいただくことができます。
そしてアプリによっては、自分で事前の質問を用意できたり、メモ機能も入っていたりするので、ビジターごとの詳細なデータを保存しておくことができます。
事前の質問の例としては
- カタログの送付の希望は?
- 興味があるコレクションは?
など、後で自分が顧客の要望や好みを把握しやすいようにクローズドやオープンな質問を設定することができます。
話した内容によって返答を入力できて、来場者ごとのデータを参考にしたフォローアップが後からしやすくなります。
さらにメモには、基本情報以外で追加しておきたいこと、などを入力できます。
アプリがない場合は、従来のクラシックな方法で、名刺や連絡先をいただいて、自分が管理できるフォーマットを用意しておくことをおすすめします。
💡【ネット環境も重要です】
来場者管理アプリを使うためには、安定したインターネット接続が欠かせません。
海外展示会では、会場Wi-Fiが不安定なこともあるため、事前にeSIMの準備をしておくと安心です。
(eSIMについては、別記事で詳しくご紹介する予定です)
盗難に注意

国際見本市では、盗難が結構発生します。
特に、搬入や搬出の時は出展者の気がいろんなところに回っていることもあり、起こりやすい、と言われています。
作品の盗難は、あまり聞いたことがないのですが、
小さくて高価なものは盗まれやすいです。
会期中の展示時間外の盗難防止のために、
あれば備え付けの鍵付きのストレージボックスや展示台に全てしまいましょう。
無い場合は、布でしっかり覆うなどの対策が必要です。
私は実は最初の出展の時に、作品の盗難にあっています。
設置終了後、主催者側に防犯面について確認したところ、「特に問題は起きていない」との回答だったため、私も他の出展者の様子を見ながら、作品をそのままにして帰ってしまいました。
翌朝の初日、ブースに戻ると一点だけ作品がなくなっていることに気付き、とてもショックを受けました。
それ以降は、備え付けのストレージボックスやレンタルした鍵付きケースを活用し、すべての作品をしっかりと保管するよう心がけています。
まとめ
出展中に気をつけたいポイントを、もう一度まとめます。
- 短時間で作品を伝える準備を
- スピード商談に備えておく
- 気をつけたいビジターへの対応を意識する
- 一人体制でもマインドセット次第で大丈夫
- 来場者情報をスムーズに記録できる仕組みを用意する
- 盗難リスクに備え、作品を守る意識を持つ
出展期間中は、作品を見てもらうことだけに意識が向きがちですが、
ビジター対応やリスクへの備えも含めて展示会を設計していくことが、成功への近道になります。
少しの工夫と心構えが、
チャンスを逃さず、そして自分と作品を守ることにつながります。
今回ご紹介したポイントが、
安心して、そして実りある展示会を迎えるための参考になると嬉しいです。
Naviact YK では、通訳も含めた海外展示会出展のサポートやコンサルティングを行っています。お気軽にお問い合わせください。
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